インドにある宮殿のような霊廟タージ・マハル
お墓であることは意外と知られていると思いますが
誰のために造られ、誰が祀られているのか知っていますか?
また、現在ある危機に直面していることをご存知でしょうか?
今回はそんなタージ・マハルのあまり知られていない話を紹介していきます!
タージ・マハルとシャー・ジャハーン
インドにはかつて様々な王朝が存在していました
その中でもイスラム教最大勢力だったのがムガル帝国
タージ・マハルはこの時代に造られました
ムガル帝国の歴代皇帝の中にシャー・ジャハーンという人物がいます
第5代皇帝だったシャー・ジャハーンには皇帝になる前から結婚していた愛する妻がいました
彼女の名前はムムターズ・マハル
2人は皇帝の後継者争いをしている時も、戦いに遠征に行く時も、どんな時でも一緒にいるほど深く愛し合っていました
しかし、シャー・ジャハーンが皇帝になったあと、ムムターズ・マハルは遠征先で出産した時、産褥熱のため36歳という若さで亡くなってしまいました
愛する王妃を失ったシャー・ジャハーンの悲しみはとても深く、国民に2年間の喪に服すことを命じるほどでした
その後、シャー・ジャハーンが愛妃ムムターズ・マハルのために築いた霊廟がタージ・マハルなのです
世界遺産タージ・マハル
タージ・マハルは1983年に世界文化遺産に登録されているのですが
世界遺産としてのタージ・マハルの凄さは、その登録理由にもあります
通常多くの世界遺産は、歴史的な背景や、この遺産にはこういう歴史があって人類に多くの影響を与えてきたなど、様々な要因が評価されて世界遺産に登録されることが多いのですが
タージ・マハルは造りそのものが芸術史上、技術史上、革新的な位置にあり、人類の創造的な資質を示す傑作であると評価されて世界遺産に登録されたのです
つまり、歴史がどうのこうのではなく『建物の造りが素晴らしい』この理由だけで世界遺産になりました
数多くある世界遺産の中でこの理由だけで登録されているのはタージ・マハルを含めて3つしかありません
では具体的にタージ・マハルのどこが素晴らしいのかというと
まず、全てが白大理石で造られているということ
ラジャスタン地方のジャイプルという場所から取り寄せた大理石は、朝日ではピンク色に、昼の光りでは純白に、そして夕日では乳白色に見えるという特徴があり、いつ見ても美しく見えます
そしてタージ・マハル1番の特徴は全てが完全な左右対称であるということ
対称性がイスラム建築の原則なので、敷地内は建物だけではなく庭園まで全てが左右対称につくられています
これらの美しさが認められタージ・マハルは世界遺産に登録されたのです
タージ・マハルの現状
世界遺産にもなっているタージ・マハルですが、危機に直面しています
インドでは現在大気汚染が深刻となり、それが原因で酸性雨が降ったり、空気中の粒子物質が大理石の表面に付着したり、白亜色のタージ・マハルが黄ばんできてしまっているのです
また、タージ・マハルが面している川は、工場排水や人と動物の排泄物などによりかなり汚されていて、そこで大量発生する虫の糞によってもタージ・マハルは汚され続けています
そのため、インドの最高裁判所はタージ・マハルの近隣で厳しい環境基準を定めたのですが
なんとインド政府自体が裁判所の命令に従わないという前代未聞な状況になっています
インド政府がタージ・マハルの保護にあまり乗り気ではないのには宗教が関係していると思われます
現在インドの約8割がヒンドゥー教徒であり、ヒンドゥー至上主義を掲げる人物が首相を務めているので、イスラム教時代のムガル帝国が造ったタージ・マハルはインドを代表する遺産ではないと見なされているのです
このまま保護が充分に行われなければ倒壊の可能性もあるそうです
世界遺産は保護条約なのでしっかりと守られていって欲しいですね
さいごに
今回はタージ・マハルについて紹介していきました
その美しさにより世界遺産に登録されたインド・イスラム建築を代表する霊廟タージ・マハルを少しでも知っていただけたでしょうか
さいごまで見ていただきありがとうございました!